骨粗鬆症は、特に60歳を超えるとその発症率が高くなり、70歳、80歳と年齢を重ねるにつれて骨密度が低下し、骨折リスクが増大します。
目次
骨の強さの要素
骨の強さは以下の2つの要素で決まります:
- 骨量(70%)
- 骨質(30%)
鉄筋コンクリートに例えるならば、鉄筋が多くても、錆びていては意味がありません。つまり、骨の量だけでなく、骨の質も重要です。
骨密度検査(DEXA)
骨密度検査(DEXA)は、主に骨量を測定する検査です。しかし、骨密度が高くても骨折を繰り返す人もいます。したがって、骨折歴や他のリスク要因を把握することで、骨の質を理解し、適切な治療を行うことが重要です。
重症の骨粗鬆症って何?
骨粗鬆症の診断については、骨折歴と骨密度から診断を行います。
重症の骨粗鬆症は、骨折歴と骨密度から診断されます。以下の基準を満たす場合に「重症の骨粗鬆症」と診断されます:
- 骨密度値が YAM70%以下 もしくは -2.5SD(Tスコア)以下 かつ 1個以上の脆弱性骨折を有する
- 腰椎の骨密度が ー3.3SD(Tスコア)未満
- 椎体骨折の数が2個以上ある
- 椎体骨折が椎体が40%以上つぶれる重症の骨折型
骨密度が悪い方はもちろんですが、圧迫骨折が2カ所有る場合や、1カ所でも潰れ方が大きい方は重症と判断します。
重症の骨粗鬆症の治療方法
重症の骨粗鬆症では骨折リスクが非常に高く、積極的な治療を行っていく必要があります。
骨折する前に強靭な骨を作るために、以下の薬が推奨されます:
・テリパラチド(商品名:フォルテオ、テリボンなど):毎日、週2回、週1回皮下注射
・ロモソズマブ(商品名:イベニティ):月1回皮下注射
・アバロパラチド(商品名:オスタバロ):毎日皮下注射
これらの薬は、骨密度を早急に上げる効果があり、骨折予防に非常に有効です。
薬代として、1割負担で月々5000円、3割負担で月々1万5000円程度の負担となりますが、その後を考えると値段以上の価値のある薬であると思います。
まとめ
骨粗鬆症患者の骨折は複雑なものになることが多いため、骨折する前に治療を開始することが重要です。既に骨折をした場合も、次の骨折を防ぐために早期に治療を開始することをお勧めします。早期診断と治療で、骨の健康を維持し、生活の質を向上させましょう。