骨粗鬆症

骨粗鬆症の予防と治療のための食事・栄養~骨太を目指して~

よい骨を作る為には、骨に栄養を与え、そして適度な刺激を与えることが大切です。

そのため、骨粗鬆症の予防としては

  • バランスの良い栄養摂取
  • 適度な運動 日光浴

が欠かせません。

今回は、どのような栄養素をどの程度摂取したほうがよいのか解説します。

目次

骨太のために摂取が推奨される栄養素

骨太のために摂取が推奨される栄養素としては

  • カルシウム
  • ビタミンD
  • ビタミンK

が推奨されます。その他、ビタミンB6、B12、葉酸、ビタミンCなども骨質によい影響を与えると言われています。

摂取目安量

特にカルシウムやビタミンDは骨に良い影響を与えてくれますので、この2つを中心に今回は解説いたします。

カルシウム摂取について

日本人の食事で不足しがちなミネラルのひとつにカルシウムがあげられます。

カルシウムは毎日欠かさずに摂取したいものですが、不足しがちだからこそ意識して摂取しておきたい栄養素です。

カルシウムは、さまざまな食材に含まれており、バランスの良い食事をして摂取することが基本になります。

今回はカルシウムの摂取目安量とカルシウムを多く含む食品をご紹介します。

カルシウム摂取量について

口から摂取したカルシウムは、小腸で吸収されまが、全ては吸収されません。

カルシウムの摂取量の目安としては少し年齢によっても変わってきますが、一日あたり700-800mgになります。

栄養素を意識すると、過剰摂取になってしまうこともあると思います。過剰摂取にならない上限量は2,500mgと言われています。取り過ぎず、バランスの良い栄養摂取が大切です。

カルシウムを多く含む食品

カルシウムを多く含む食品には、牛乳・乳製品、大豆製品、魚介類、野菜・海藻類などがあります。

以下に簡単にまとめたものをご紹介します。

牛乳・乳製品

カルシウムを多く含み、吸収率が高いのが牛乳・乳製品です。

学校給食でも提供されている牛乳ですが、普通牛乳200ml中にカルシウムは220mg含まれていて、手軽にカルシウム摂取が出来るよい食品です。

牛乳を原料にしたチーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品も、カルシウムを豊富に含んでいます。

牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる乳糖不耐症の方がおられますが、乳糖が分解されているチーズなどの乳製品であれば摂取しやすいです。

ヨーグルト100g中には120mg、プロセスチーズ1個分25gには158mgのカルシウムが含まれていますから、日常的に牛乳・乳製品を摂取していると、十分なカルシウムが摂取出来ます。

 大豆製品

牛乳・乳製品の次に吸収率が良いのは、豆腐や油揚げ、納豆などの大豆製品です。

和食でおなじみの大豆製品は、タンパク質も豊富に含んでおり、栄養素の宝庫です。

木綿豆腐約1/3丁の100gにカルシウムが86mg含まれ、納豆1パック50gには45mg含まれています。

牛乳・乳製品と比べるとカルシウム含有量は少ないですが、タンパクも多く含む優秀な食品です。

 魚介類

魚介類のカルシウム吸収率は、牛乳・乳製品や大豆製品には劣りますが、日本人が日常的に摂取しやすい食材です。

魚介類の種類によってカルシウム量は異なります。

骨まで食べられる小魚や、殻ごと食べる小エビ、うなぎや貝類などに多く含まれています。

また、手ごろに食べることができるサバの缶詰なども、骨まで柔らかくなって食べることができるため、カルシウムの補給ができる食材です。

しらす干し5gにカルシウムが10.5ⅿg、サバの水煮缶1個80gには208mg含まれています。

また、ビタミンDも多く含んでいるため、骨太に最適な食品です。

 野菜・海藻類

野菜や海藻に含まれているカルシウムの吸収率は、それほど高くありません。

しかし、ビタミンやミネラル、食物繊維など、体の調子を整える栄養素の摂取が期待できるので、バランス良く食べたい食品です。

カルシウムが多く含まれているものは、モロヘイヤ、小松菜、水菜、昆布などです。

モロヘイヤ100gにカルシウムは260mg、小松菜100gには170mg含まれています。葉物野菜は加熱してカサを減らすとたくさん食べられますから、積極的に取り入れましょう。

ビタミンDの働きと摂取量の目安

カルシウムを含む食品とともに摂取したいのが、ビタミンDです。

ビタミンDはカルシウムの吸収促進や骨の代謝に関わっているので、カルシウムと一緒に摂取するのがお勧めです。

ビタミンDは、魚やキノコ類に多く含まれているほか、日光に当たることで体内でも合成されます。

そのため

  • 1日に30分以上日光を浴びる

ことをお勧めしています。

ビタミンDの摂取量の目安

1日の摂取目安としては8.5μgになります。

ビタミンDの供給源

カルシウムと含めて魚類、特に小さい小魚やしらすなどを食事の際に摂取頂く事をお勧め致します。

ビタミンKの働きと摂取量の目安

数種類あるビタミンKのうち、栄養学的に重要なものが、ビタミンK2のメナキノン類です。ビタミンK1のフィロキノンは組織内で酵素の働きによりメナキノン-4に変換されますが、その量はそれほど多くはないと見積もられています。

ビタミンKの血液凝固に必要な要素で、骨づくりにも不可欠な栄養素です。

ビタミンKは骨に存在するオステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があります。そのほかに、動脈の石灰化を抑制する作用もあります。

実際に、骨粗鬆症の治療としてもビタミンKの補給が治療として用いられています。

血液検査でucOC(低カルボキシル化オステオカルシン)といわれる要素を測定することで、骨のビタミンK不足状態を把握することが可能です。

ビタミンKの摂取量の目安

ビタミンKの成人の1日の摂取の目安量は男女ともに150㎍です。特に副作用がなく、上限はありません。

日本人のビタミンKの1日の平均の摂取量は240.2㎍と言われていますので、大旨摂取出来ていることの多いビタミンになります。

血栓を防ぐためのワ-ファリンという薬を服用している人の場合、ビタミンKを多く含む納豆、ブロッコリー、ほうれん草などの食品を摂取すると薬の作用が弱まるため注意が必要です。

ビタミンKを多く含む食品

ビタミンKは、藻類、野菜類、豆類、肉類、乳類、卵類、油脂類に多く含まれています。

ビタミンK1は、海藻、しそやモロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれています。ビタミンK2は、発酵食品の納豆に特に多く含まれます。

納豆を日常的に食べている人は、食べていない人と比べてビタミンKの摂取量が約2倍であるという調査結果もあります。日常的に摂取しやすい納豆は日本人には最適の食べ物とも言えます。

納豆は脂溶性なので、油と一緒にとると吸収率が上がります。

まとめ

不足しがちなカルシウムやビタミンD、ビタミンKは、意識して摂っておきたい栄養素です。

バランスの良い食生活を基本として、意識して取り入れていきましょう。

1食の量が多くなってしまう場合は、間食として牛乳やヨーグルト、チーズなど、調理をしなくても食べられる食材から手軽に取り入れて下さい。

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