高齢になってくると
腰が曲がってきた
顔を前に向けにくくなってきた
身長が低くなった
腰がずっと痛い
年を取ってきた
は骨粗鬆症が疑われます。一度検査をお勧めします。
骨粗鬆症に関する検査としては
- 骨折の既往の確認(圧迫骨折、大腿骨近位部骨折、上腕骨頸部骨折、橈骨遠位端骨折など)
- レントゲン撮影(腰椎など)
- 骨密度検査DXA(腰椎・股関節)
- 血液検査(続発性の有無、腎機能、骨代謝マーカーなど)
を行います。
目次
レントゲン撮影
まず患者さんに骨折の既往を確認します。
脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨頸部骨折 がある場合は基準が変わります。
その他、腰痛や身長の低下などの症状がある場合は腰椎のレントゲン撮像を行い圧迫骨折がいつの間にか起こっていないか確認します。
骨密度検査DXA
骨密度測定DXA法を行って骨密度を測定することが一般的です。
YAM:若い人を100%として、本人の骨密度を%で表現したもの
Tスコア:若い人を0として、標準偏差SDで表現したもの マイナスで表現されることが大半です
この2つの数値を指標とします。
骨粗鬆症の基準としては以下になります。
YAM:80%以下 要注意
70%以下 骨粗鬆症
Tスコア:-2.5以下 骨粗鬆症
骨折=骨粗鬆症
骨粗鬆症の基準は骨折の有無や基礎疾患などで少し変わります。
この骨折のある患者は骨密度の数値に関わらず、骨折=骨粗鬆症の診断です。骨密度の数値が高くても骨質が悪いと考えます。
橈骨遠位端骨折、上腕骨頸部骨折 ≒ 骨粗鬆症
この骨折の場合は
YAM<80% で骨粗鬆症
と通常よりも甘い診断基準で骨粗鬆症と診断します。
血液検査
治療開始前の検査としては、骨代謝マーカーと一般的な所の採血と尿の検査を行います。
目的としては骨粗鬆症の原因が年齢のみではなく、その他の基礎疾患による続発性骨粗鬆症ではないか確認するためです。その他転移性骨腫瘍、骨の疾患、骨・カルシウム代謝異常が無いか確認します。
そのためマーカー検査と一緒に一般的な採血も行います。
T.P、Alb、T-Bil、AST、ALT、Gamma-GTP、ALP
BUN、Crea、eGFR、UA
T-cho、TG、LDL、HDL、血糖
HbA1c、血計、Na、K、Cl、Ca、P
尿検査
TRACP-5b、P1NP
25OHビタミンD
上記の肝機能、腎機能、脂質、尿酸、血糖、電解質、貧血などの項目は初期の血液検査の際必ず行っています。
たとえば高カルシウム血症がある場合には、多発性骨髄腫、副甲状腺機能異常などの可能性があります。
また腎機能の状態によっては、骨粗鬆症に対して使える薬剤も限られてきますし、副作用の可能性が上がりますので慎重に薬剤を選択する必要があります。