関節リウマチがどの程度悪さをしているのかを客観的に評価する指標が疾患活動性評価になります。
疾患活動性を評価し状態を共有することで、患者さん自身の理解と治療に繋げています。
個人の感覚で評価していくと、善し悪しの評価が難しくなってきますので、良くなっているのか悪くなってきているのか、治療効果を客観的に評価する方法として
- 「VAS(バス)」
- 「DAS28(ダス28)」
- 「SDAI(エスダイ)」
- 「CDAI(シーダイ)」
などが疾患活動性評価に用いられています。
患者さん自体もご自身の状態を把握して、主治医との共通認識を持つことが信頼関係を築き、治療効果が上がります。
ぜひ、患者さんもご自身の疾患活動性を把握し、主治医と一緒に関節リウマチのの治療に取り組んで行きましょう。
目次
関節リウマチでは寛解を目指す
関節リウマチではよく活動性という言葉を使います。
活動性の高い状態は痛みや腫れなど症状が強く、関節への破壊の影響が大きい状態です。
一方で活動性の低い状態は痛み・腫れが少なく、関節リウマチの関節への影響が少ない状態を指します。
活動性が抑えられている状態を寛解と言います。症状が軽く寛解に近づくほどDAS28・SDAI・CDAIの値は小さくなります。
それぞれ、VAS(痛みの具合)、CRP(ESR)、圧痛関節数、腫脹関節数といった項目を用いて評価を行います。このような項目を総合的に評価して治療効果を判定します。
治療の効果判定に役立つ
関節リウマチの症状は日々変動するものです。症状の変動に合わせて、疾患活動性評価も変動します。
治療前後の、VAS(痛みの具合)、CRP(ESR)、圧痛関節数、腫脹関節数を確認することによって、現在の治療効果を客観的に判断します。
その上で、現在の治療のままでいいのか、変更が必要なのかを判断していきます。
以下では具体的な数値について説明します。
VAS
痛みがない状態を0、想像出来る最大の痛みを100として、患者さん側、医師側の評価を行います。
DAS28
全身の関節28カ所のどこに腫れと圧痛が有るのか確認します。
TJS:圧痛のある関節の数
SJC:腫れている関節の数
DAS28-CRP = 0.56×√(TJC)+0.28×√(SJC)+0.36×LN( (CRP)×10 +1)+0.014×(VAS)+0.96
DAS28-ESR = 0.56×√(TJC)+0.28×√(SJC)+0.7×LN(ESR)+0.014×(VAS)
ややこしい計算式ですが、圧痛関節、腫脹関節、CRP(ESR)、VASによって評価を行います。
疾患活動性 | DAS28CRP | DAS28ESR |
高い | 4.1以上 | 5.1以上 |
中等度 | 2.7~4.1 | 3.2~5.1 |
低い | 2.7未満 | 3.2未満 |
寛解 | 2.3未満 | 2.6未満 |
SDAI
圧痛関節、腫脹関節、VAS(患者側、医師側)、CRPを用います。
SDAI = 圧痛関節数(28関節)+腫脹関節数(28関節)+患者による全般評価(VAS 0~10cm)+ 医師による全般評価(VAS 0~10cm)+CRP(mg/dL)
疾患活動性 | SDAI |
高い | 26以上 |
中等度 | 11~26 |
低い | 3.3~11 |
寛解 | 3.3未満 |
CDAI
圧痛関節、腫脹関節、VAS(患者側、医師側)を用います。
SDAI = 圧痛関節数(28関節)+腫脹関節数(28関節)+患者による全般評価(VAS 0~10cm)+ 医師による全般評価(VAS 0~10cm)
SDAIのCRPのないバージョンです。
疾患活動性 | CDAI |
高い | 22以上 |
中等度 | 10~22 |
低い | 2.8~10 |
寛解 | 2.8未満 |
これが一番日常的に評価のしやすい指標です。
低疾患活動性を