関節リウマチの治療薬には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。以下に、主な治療薬の種類とその特徴をまとめます。
目次
経口薬(csDMARDs)
関節リウマチにおいてはメトトレキサートが第一選択ですが、患者さんの状態によっては使用出来ないことがあります。その場合その他の治療薬を用いることがあります。
経口薬(csDMARDs)
メトトレキサート(リウマトレックス®)
- 用法・用量: 週2~16mg、週1-2日
- ポイント: 関節リウマチの第一選択薬。副作用に注意が必要。
タクロリムス(プログラフ®)
- 用法・用量: 1回1~3mg、1日1回夕食後
- ポイント: 間質性肺炎合併でも使用しやすい。メトトレキサートの次に良く使用される経口免疫抑制薬。
レフルノミド(アラバ®)
- 用法・用量: 1回10mg、1日1回
- ポイント: 日本人では間質性肺炎の副作用が多い。
イグラチモド(ケアラム®)
- 用法・用量: 1回25mg、1日2回
- ポイント: 痛みの軽減も期待。NSAIDsとの併用に注意。
サラゾスルファピリジン(アザルフィジン®)
- 用法・用量: 1回500mg、1日2回
- ポイント: 腎障害、間質性肺炎合併でも使用しやすい。
ブシラミン(リマチル®)
- 用法・用量: 1回300mg、1日3回
- ポイント: 蛋白尿に注意。定期的な尿検査が必要。
生物学的製剤
- TNF阻害薬
- IL-6阻害薬
- T細胞刺激的共刺激調節薬
といった3種類があります。
TNF阻害薬
TNF阻害薬は生物学的製剤の中で最も多く使用される種類です。種類が豊富で、患者さんに合わせて選択できます。ただし、中和抗体の発生により効果がなくなることがあります。
- インフリキシマブ(レミケード®): 点滴投与、1回/8週
- エタネルセプト(エンブレル®): 皮下注射、1回/週
- アダリムマブ(ヒュミラ®): 皮下注射、1回/2週
- ゴリムマブ(シンポニー®): 皮下注射、1回/4週
- セルトリズマブ(シムジア®): 皮下注射、1回/2週
- オゾラリズマブ(ナノゾラ®):皮下注射、1回/4週
IL-6阻害薬
IL-6阻害薬はメトトレキサートを併用しなくても効果が得られる点が特徴です。高齢者の継続率が高く、貧血改善にも繋がり、大関節型にも有効です。
- アクテムラ(トシリズマブ): 点滴投与、1回/4週 もしくは 皮下注射、1回/2週
- ケブザラ(サリルマブ): 皮下注射、1回/2週
T細胞刺激的共刺激調節薬
オレンシアは感染症のリスクが低く、間質性肺炎合併や肺疾患を持つ患者さんに適しています。
- オレンシア(アバタセプト): 点滴投与、1回/4週 もしくは 皮下注射、1回/週
JAK阻害薬
JAK阻害薬は経口薬で、メトトレキサートとの併用が推奨されています。即効性があり、皮下注射が苦手な方でも継続しやすい点が特徴です。
- ゼルヤンツ(トファシチニブ): 5mg×2回/日
- オルミエント(バリシチニブ): 4mg×1回/日
- スマイラフ(フィルゴチニブ): 150mg×1回/日
- リンヴォック(ウパダシチニブ): 15mg×1回/日
- セレカ(ペフィシチニブ): 200mg×1回/日
まとめ
リウマチの治療薬には多くの選択肢があり、患者さんの状態や病状に応じて最適な治療法を選択することが重要です。
定期的な診察と検査を通じて、適切な薬剤を使用し、副作用の管理を行いながら治療を進めていきます。