日本には国民が安心して安定した生活が営めるように、生活や健康を保護する社会保障制度があります。
近年の関節リウマチの治療は生物学的製剤の登場によって飛躍的に向上していますが、その反面、患者さんの経済的な負担が増えることになります。
目次
高額医療費制度
1ヶ月の医療費負担が自己負担限度額を超えた場合には、超えた分の払い戻しを受けることが出来ます。
利用するためには事前に保険者(保険証の発行元)へ手続きを行い「限度額適用認定証」などの交付を受け、医療機関に提示することが必要です。
所得や年齢に応じて設定されていますので、ご自身の限度額については保険者にご確認下さい。
同一月の複数の病院の支払いは合算可能ではありますが、70歳未満の場合は1件21000円以上である必要があったりと諸条件がありますので、ご注意ください。
年に3回以上自己負担限度額を超えると4回目以降の限度額が44000円が上限となります。
以下もご参照下さい。
全国健康保険協会 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/
介護保険
2000年4月にスタートした介護費用を介護保険料と公費で負担する制度です。
通常は65歳以上で利用出来る制度ですが、特定疾病に該当する場合には40歳以上から利用可能です。
整形外科関連でいいますと
- 関節リウマチ
- 骨折に伴う骨粗鬆症
- 変形性関節症(両側の膝関節または股関節の著しい変形を伴う)
といった疾患が特定疾病です。
その他の特定疾病の範囲については以下の厚生労働省のサイトをご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html
認定された支援・介護度に応じて在宅・施設サービスを受けることが出来ます。
在宅における介護サービスでは
- 福祉用具の貸与や購入費の支給
- 住宅改修費の支給
- 訪問介護
- 訪問・通所リハビリテーション
などのサービスがあります。介護保険については認定に時間がかかります。
関節リウマチにかかわらず、高齢者の患者さんで介護認定を受けられていない方が多数おられますが、何かあった際にはすぐにサービスを受けることが出来ません。
窓口は市区町村役場になりますので、早めにご相談することをお勧め致します。
以下もご参照下さい。
https://kaigo.homes.co.jp/manual/insurance/about/
身体障害者手帳
障害者手帳とは障害のある方を対象に交付される手帳の事です。 障害者手帳を持つことでさまざまな福祉サービスを利用することが出来る事があります。
身体障害者については1級から6級までの区分があり、受けられるサービスが異なります。
また、リハビリや手術によって障害が軽くなることも多々ありますので、その場合には等級の再認定を受ける必要があります。
身体障害者の診断については申請したからといって必ずしも該当する訳ではありません。
我々整形外科においては病状に応じて肢体不自由に関する身体障害者診断を行わせて頂いております。
等級に応じて具体的なサービス内容については市町村にお問い合わせください。