リウマチ 炎症性疾患

【まとめ】関節リウマチ治療薬の特徴・使用方法について

関節リウマチに対して一般的に使用される薬剤は、以下の3つのカテゴリに分類されます:

  1. 免疫調整薬
  2. 免疫抑制薬
  3. ステロイド

ここでは、それぞれの薬剤の特徴について解説します。

目次

免疫調整薬

代表的な免疫調整薬には、アザルフィジン、リマチル、ケアラムがあります。

関節リウマチは免疫が異常に活発になり関節を破壊しますが、免疫抑制薬はその免疫を抑制します。免疫抑制薬は正常な免疫も抑えるため、感染症に注意が必要です。

一方、免疫調整薬は免疫を正しい状態に調整するため、感染症のリスクが低く、特に高齢者や肺病変のある患者にも使用しやすいです。効果は免疫抑制薬よりもやや低いものの、早期の活動性が強くない患者さん、特に高齢者や肺病変などを抱えている患者さんに有効です。

免疫抑制薬よりは効果は低いといっても、実は早期の段階の活動性が強くない患者さんの半数以上の症例では免疫調整薬でも有効です。

詳細はこちらを参照ください。

>>それぞれの薬剤についてはこちらをご参照下さい。

免疫抑制薬

免疫抑制薬には以下の種類があります:

メトトレキサート

  • 最も一般的に使用される関節リウマチ治療薬で、週に1~2日内服します。
  • 安価で経済的ですが、高齢者や消化器症状に悩む患者には使いにくいことがあります。
  • 最近ではメトジェクトという皮下注射製剤が新たに発売され、経口薬より消化器症状が出にくいと言われています。

>>メトトレキサートについて詳細はこちらを参照下さい。

>>メジェクトについて詳細はこちらを参照下さい。

タクロリムス

  • 1984年に日本で発見された強力な免疫抑制剤で、臓器移植後の拒絶反応や自己免疫疾患にも使用されます。
  • 高疾患活動性で間質性肺炎のある患者や高齢者に適しています。
  • 手の震え、高血圧、高血糖、腎機能障害、心毒性、感染症等の副作用に注意が必要です。

詳細はこちらを参照ください

生物学的製剤

  • TNFα阻害薬: 最も古くからある薬剤で、バイオシミラーもあり比較的安価です。長く使用されているため副作用や特徴がよくわかっています。
  • IL-6阻害薬: メトトレキサート併用無しでも有効で、心不全の患者にも使用可能です。CRPが当てにならず感染に気づきにくい点に注意が必要です。大腸憩室などを持っている方は消化管穿孔に注意が必要です。
  • CTLA4-Ig製剤: 1種類のみで、感染リスクが低い点が特徴です。肺の疾患を持つ方に適しています。

という3種類に分類されます。

>>TNFα阻害薬についてはコチラを参照

>>IL6阻害薬の詳細についてはコチラを参照

>>CTLA4-Ig製剤の詳細はコチラを参照

JAK阻害薬

  • 生物学的製剤と同等の効果を持っています。
  • 内服薬であり、自己注射が難しいという方にもお勧めです。
  • 帯状疱疹に関してはJAK阻害薬治療中に特に起こりやすいことがわかっているため注意が必要です。
  • 悪性腫瘍の既往がある患者さんには慎重に使用を考慮する必要があります。

>>JAK阻害薬についてはコチラを参照

ステロイド

関節リウマチの治療において、ステロイドは少量で使用されることが多いです。効果が早く現れるため、症状が重く早く症状を取り除きたい場合に使用します。ただし、高容量を長期的に使用する場合は副作用が懸念されるため、早期に減量することが推奨されます。

ステロイドの副作用

  • うつ
  • 感染リスクの上昇
  • 骨粗鬆症
  • 大腿骨頭壊死
  • 白内障

詳細は以下を参照ください:

ステロイドによる大腿骨頭壊死

ステロイドの使用方法と副作用の詳細

ステロイドによる骨粗鬆症

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