骨粗鬆症

【閉経後骨粗鬆症】40歳以上(閉経後)の女性は定期的な骨密度検査を受けて下さい。

患者

いつ骨密度の検査を受けた方がいいですか?

医師

女性の場合は閉経してから急激に骨密度が減少していきます。若い頃がピークで下がっていく一方です。
骨折したことがある場合は骨粗鬆症の可能性がありますので、骨密度検査を受けておいて下さい。
何もなくても40歳を超えたら一度骨密度を調べておくことをお勧めします。

患者

どこで骨密度の検査を受けられますか?

医師

検診の際に希望されるか、骨密度の検査が出来る整形外科などで検査を受けることが可能です。一度ご相談下さい。

骨がスカスカになってもろくなる骨粗鬆症は、女性にかかりやすく患者さんの約7割が女性と言われています。

骨粗鬆症では骨の密度が低下する病気で、骨が折れやすくなっています。ひとたび骨折すると日常生活に支障をきたします。治療に2~3ヶ月以上かかることが大変ですので、社会復帰まで時間がかかります。

骨粗鬆症と女性ホルモンは密に関係していると言われていますので、予防していく上で女性に必ず訪れる「閉経」と骨粗鬆症の関係を理解しておくことが重要です。

「お年寄りがかかる病気」とイメージされるかもしれませんが、昨今は50代だけでなく40代のうちから「骨密度検査」を受診し、骨粗しょう症の予防を意識することの重要性が高まっています。

目次

女性ホルモン「エストロゲン」と骨粗鬆症

骨粗鬆症は50歳以降の女性の4人に1人いるといわれていて、年齢が上がるほど骨粗鬆症の割合が増えますが40代でも骨粗鬆症の方がおられます。

しかし、「骨粗鬆症=高齢者の病気」と認識されている方が多く、骨密度の測定結果の低さに困惑されることが珍しくありません。

高齢でなくても骨粗鬆症になる原因の一つが閉経です。骨の新陳代謝には女性ホルモンが大きく関係しています。

骨は常に新陳代謝が行われており、古くなった骨を溶かす「骨吸収」と、溶かされた部分に新しい骨を作る「骨形成」を常に繰り返すことで新しい良い骨に作り替えています。エストロゲンは骨を溶かす細胞(破骨細胞)の働きを抑える役割があり、骨吸収と骨形成のバランスそして骨密度を保つ上で重要な存在です。

そのため、閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると急激に骨密度が低下し、同年代の男性にくらべると、骨密度が低くなるスピードが速くなります。

女性の骨粗しょう症の主なリスク要因

閉経によってエストロゲンの分泌が減少して不足すると破骨細胞が活性化してしまい、骨形成と骨吸収のバランスが崩れて「骨吸収>骨形成」の状態になり、骨密度が低下します。

  • 45歳以前に閉経する
  • 妊娠期・閉経などをのぞいて12カ月以上、生理が止まった期間がある
  • 卵巣摘出やホルモン補充療法を受けている
  • 若いころに食事制限を伴うダイエットをしていた

といった方は元々の骨密度が低いため、閉経後に骨粗鬆症になるリスクが高くなります。

40代のうちから定期受診をお勧めします

骨粗鬆症か調べるためには、整形外科やドッグなどで骨密度検査を受ける必要があります。

骨粗鬆症は初期の段階では痛みなどの症状がほとんど現れません。骨粗鬆症に気付かない間に骨折してしまうと、骨密度を上げるだけでなく骨折の治療も必要になり通院やお金の面でも負担が大きくなってしまいます。

骨粗鬆症の予防や早期発見のためには、閉経前のタイミング(40歳ごろ)に骨密度を測定し、自分の骨の状態を知っておくことをお勧めします。

遅くとも骨密度が最も低下するといわれる閉経後3年以内に検査することをお勧めします。

ただ、保険診療では難しいことが多いため健診での検査になってしまうかと思います。

骨密度の増やし方

ここでは、骨を丈夫にする3つの方法をご紹介します。

カルシウムをとる

骨の約70%は、カルシウムを主成分とするミネラルであることから、毎日の食事でカルシウムを多く含む食品をとることがポイントです。

カルシウムを豊富に含む食品には、牛乳や乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜などがあります。また、カルシウムの吸収を促すビタミンDもいっしょにとるようにしましょう。

衝撃や負荷の大きい運動をする

骨密度は、運動によって増加するといわれています。

ジャンプやスクワット、ジョギングといった、衝撃や負荷の大きい運動が効果的です。運動する時間がない人は、立ったり座ったりを繰り返すなど、日常生活の中でこまめに動くように意識して下さい。

日光浴をする

紫外線を浴びることで、体内ではビタミンDが生成されます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促し、血中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあるため、骨の健康を保つには欠かせません。最低でも、1日15分程度は日光を浴びるようにしましょう。

体内のビタミンDの量を血液検査で25OHビタミンDを測定することでみることが出来ます。20ng/ml以下だと不足している状態なのですが、検査をしてみるとかなりの割合で不足状態の方が多いです。現代の方は外に家で過ごす時間が多くてなかなか出ないためですね。何かきっかけを作って積極的に日光を浴びて下さい。。

人生100年時代に向けて

「人生100年時代」といわれる現代は、女性ホルモンが分泌されない状態で生きていく期間が長期に渡る時代でもあります。閉経後の長い人生を笑顔で楽しむためにも、症状があってもなくてもまずは骨密度検査を受けて自分の骨の状態を知ることがから始めましょう。

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