上肢

【母指CM関節症】親指のつけ根の痛み、物がつかみにくい

目次

物をつまんだり、握る動作、ペットボトルのキャップを開ける、洗濯バサミをつまむといった動作で親指のつけ根が痛くなることはありませんか?

それは、関節の軟骨がすり減ったり、骨が変形する母指CM関節症かもしれません。

母指CM関節とは

母指CM関節は親指の一番付け根の関節を指します。この関節は親指の自由な動きを可能にする構造ですが、大きく動かせる分、負担がかかりやすく、変形が起こりやすい関節です。

靭帯がゆるんでくると、関節が不安定になり、亜脱臼が生じます。すると、軟骨が徐々にすり減り、関節を安定させようとして骨が出っ張ってきます(骨棘)。

母指CM関節症の症状

母指CM関節症の主な症状は痛みと変形です。

母指CM関節には指先の10倍以上の力が加わるため、

  • ペットボトルのキャップを開ける
  • 物をつまむ
  • フタを開ける
  • 手をついて立ち上がる

このような動作で痛みが出やすいです。

また、母指CM関節症は利き手でない方に多く見られ、関節の亜脱臼や骨棘によって親指のつけ根がでっぱってきます。

関節が亜脱臼すると親指の動きが悪くなり、大きな物をつかみにくくなり、無理に動かそうとすると痛みが出ます。

原因

母指CM関節症の主な原因は手の使い過ぎや加齢です。女性の場合、ホルモンバランスの変化も関係すると考えられています。

関節の軟骨がすり減ると、関節が炎症や腫れを起こし、痛みの原因となります。

検査方法

腱鞘炎(ドケルバン症候群)などと区別するため以下で判断します。

身体所見:母指の付け根にあるCM関節に腫れや痛みがあり、押した際や動かした際に痛みを生じます。

画像検査:レントゲンや超音波検査で、軟骨のすり減りや亜脱臼、骨棘を確認します。

母指CM関節症の治療方法

  • 固定・装具
  • 消炎鎮痛剤(内服、湿布、塗り薬)
  • ステロイド注射
  • リハビリ
  • 手術

がございます。

固定・装具

テーピングやサポーターを使用して、母指に負担をかけないようにします。

消炎鎮痛剤

湿布や塗り薬、内服薬を使用して、炎症を抑えます。

ステロイド注射

これらの治療で効果がない場合、関節内にステロイド注射を行います。

リハビリ

筋力トレーニングやストレッチを行います。母指CM関節症では、親指を閉じる筋肉である「母指内転筋」が硬くなっていることが多いです。この筋肉をストレッチし、関節や筋肉が柔らかくなったら、関節を安定させ、バランスを改善するための筋力トレーニングを開始します。

手術

これらの治療で8割程度の方は症状が落ち着きますが、改善しない場合は手術を検討します。

まとめ

母指CM関節症は親指のつけ根に痛みを引き起こし、物をつまんだり握る動作が困難になります。適切な治療とリハビリを行うことで、多くの患者が症状を改善できます。症状が気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。

関連記事