指が変形して痛みがあります。関節リウマチでしょうか。
指の痛みの原因は関節リウマチだけではなく、多くは変形性関節症などの整形疾患です。
一度レントゲンや採血で確認してみましょう。
皆さんは関節の痛み、とくに手の指の痛みを感じると、関節リウマチを連想するかもしれません。
関節リウマチは有名な病気で多くの人が知っていますが、関節の痛みを引き起こす病気は他にも多く存在します。
そのため、医師も診断に悩むことがあります。
関節リウマチの典型的な症状としては以下があります。
- 朝のこわばり
- 関節の腫脹と痛み
- 対称性の関節痛
このような所見のある方は関節リウマチをまず疑って精査していきます。
目次
関節リウマチの診断
関節リウマチの診断にはスコアリングが行われます。
- 関節痛の数
- 採血(リウマトイド因子RF、抗CCP抗体)
- 炎症反応(CRP、赤沈)
- 持続期間
これらから関節リウマチと診断されます。
- 関節痛が多数あり
- 6週間以上と長期
- 採血上でリウマチ関連や炎症反応が異常値
である場合は関節リウマチの可能性が高いと言えます。
早期の場合にはスコアリングでは関節リウマチと診断されないため注意が必要です。
日常に潜むリウマチに似た疾患
関節リウマチに似た症状を引き起こす疾患は多数あります。
特にヘバーデン結節は女性に多く見られる疾患ですが、これによって変形と痛み、「こわばり」を伴うことがあります。レントゲンや採血などによって関節リウマチと判別を行います。
バネ指では指を曲げる腱に炎症を起す腱鞘炎です。腱が腱鞘にひっかかることで痛みやひっかかりを生じます。これをこわばりや関節痛のように感じることがあります。
その他リウマチ以外の膠原病によってこわばりや指の関節痛を生じることがあります。代表的な疾患としてはシェーグレン症候群、脊椎関節炎、全身性エリテマトーデスなどがあります。
循環不全によるむくみ(浮腫)によってもこわばりの症状が出ることがあります。
このように多数の似た症状を来す疾患があるため、症状だけではなく実際に目でみて初めて分かることが多くあります。
関節リウマチの診断と整形外科の役割
整形外科に受診する患者さんの中には、関節痛で来院する方が多く、関節リウマチや他の膠原病が隠れていることがあります。
関節リウマチの特徴的な症状は多関節痛やこわばりですが、初期には単一の関節痛であることもあります。
そのため、初診時には関節リウマチを疑わないこともありますが、時間が経過して他の関節にも痛みや腫脹が出てきた場合に改めて検査を行い、関節リウマチと判明することがあります。
まとめ
こわばりや痛みといった症状は、関節リウマチ以外にも多くの整形外科疾患が原因であることがあります。これらの症状に心当たりのある方は、一度ご相談ください。